(16)『かもめ食堂』

久々の映画レビュー。

フィンランドヘルシンキ日本食堂を経営しているサチエは、図書館で知り合ったミドリを食堂のスタッフに迎える。お客は、日本アニメおたくの青年しかいない店にボチボチ人が集まるように。悩みをかかえたフィンランド人、荷物が出てこなくなって困っている日本人など、個性的なお客さんたちが、かもめ食堂に集まり、サチエたちの温かな心がこもった料理でなごやかな気持ちになっていく。
 れっきとした日本映画だが、オールフィンランドロケで、現地スタッフや役者も参加して作り上げた日本とフィンランドのコラボ映画。あせらずマイペースなサチエに小林聡美がピッタリ。また「かもめ食堂」の北欧風のインテリア、シナモンロールやおにぎりなどのお料理もおいしそうで、ビジュアルも十分に楽しめる。国境を超えた人間関係をオシャレで心温まるヒューマンドラマに仕上げたのは『恋は五七五』でおなじみの荻上直子監督。(amazonより)


ストーリーのない映画でした。
山場とかもほとんどありません。
他人に話して聞かせるほどの「中身」は出てこないんだけど、フィンランドの美しい映像とか、言葉、食べ物、雑貨、海や森や風…といった空気感が澄んでいて、それぞれの人の心の中にある(のであろう)もやもやとは対象的に、映像がすーっとさわやかしてました。


サチエの放つ「いらっしゃい」は確かに特殊な響きを帯びていて、なんともいえず素敵でした。
何ら大それたことを謳わない、シンプルな日常の美しい映画。